Takumi’s blog

文章にして輝く思い出

カメラ

俺は小学生の頃から写真を撮ることが好きで、よく家のコンパクトデジタルカメラを持っては外に出て風景や虫や雑草など、色々な写真を適当に撮っていた。

本格的にカメラというものに興味を持ったのは、高校生になってからだった。

高校1年生の夏。陸上部の友達が写真部に転部した。

昼飯を食いながらカメラを見せびらかす友達を見た時、俺は物珍しさの他には特に何も感じなかったが、「へー、カメラかぁ。かっこいいな。俺もやってみようかな」なんて、思ってもいないことを口にした。

すると翌日、友達は気を利かせてカメラのカタログを持ってきた。

その時の俺はカメラに対してそんなに興味があった訳でもなくて、貰ったカタログを見た時は「カメラって結構かっこいいんだな」なんて思ったりもしたけれど、そこまで物欲は刺激されなかった。正直に言って、カタログなんて見ても面白くなかったし、むしろありがた迷惑くらいに感じた。

まあしかし、興味があるようなことを言ってしまった手前引き下がることもできず、俺は家にたまたまあったCanonの一眼レフを学校に持ってきた。

試しにオートで撮ってみたら、何の苦労も無く、あっけなく、普通に、簡単に撮れた。

俺はそれまでカメラに対して「あれは大人が使うものだ」と勝手に思い込んでいたのだが、自分でも使うことができると知るや否や、それまでの無関心が嘘のように、一瞬で釘付けになった。

それからは、暇さえあればカメラをリュックに入れては外に出かけて写真を撮るようになった。

今思うと恥ずかしい限りだが、当時は喜多院の汚い池の写真や、ただ正面から撮っただけのアジサイの写真をすこぶる気に入り、まるで自分がプロになったような気さえしていた。

そんなこんなでカメラにはまっていった訳なんだけれど、おそらく、当時の俺には根底に「今この瞬間を逃したくない」という気持ちがあったんだと思う。

青春というのは不可逆だ。

過ぎてしまえば二度と取り戻すことはできない。

俺は高校時代、好きなことして生きていく勝ち組になるのは無理だって分かっていたから卒業後の事は一切考えないようにしていたし、だからこそ、その分ひたすらエンジョイしようと心に決めていた。

陸上部から写真部に転部した友達が持ってきた物は一眼レフという形をした新しい世界だった。

もし彼が俺に新しい世界をもたらしてくれなければ、俺の高校の三年間はまるで無味乾燥なものになってしまっていただろう。考えただけでも恐ろしい。想像もしたくない未来だ。

俺の人生とは、カメラがあり、友達がいて、そうして初めて彩られる。

これから先、もっともっと彩りのある人生にしていけたらいいな!

おわり!

 

 

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