目が覚めたらお昼前の11時22分。
仕事はお休みで、今日は何をして過ごそうかなぁと思いながらも布団を被り直し二度寝する体勢になる。
昨夜はさほど夜更かしをしなかった為、二度寝はできそうになかった。
とりあえず新しいパソコンを起動し、AVAをインストール。
インストール完了まで3時間。
他に何もすることは無いし、二度寝もできない。
助けて!死んじゃう!誰か!
そう叫びそうになったが、俺はふと我に返り奴の存在を思い出した。
そう、俺は夏の1か月間、埼玉からマイフェイバリットライトアームを呼び寄せていたのである。
俺はすぐさまLINEを開き、マイフェイバリットライトアームのA子(仮)を呼び出した。
パンツを履きズボンを履き、卓球メーカーのバタフライのシャツを着て、リュックにグローブを2つ入れて外に出る。
寮は隣同士。外に出たらA子は既に待っていた。
空は濃い群青色で、くっきりとした輪郭の雲が雄大に浮かんでいた。
夏の日差しが照り付けるが、風は冷たく気持ちが良かった。
壁のある場所を探してしばらく散歩したら、用水路にエビやウグイの稚魚を発見したりして、ああ、田舎の夏だなぁと感じた。
結局壁は見つからず、神社の横の日蔭でキャッチボールをすることにした。
俺は久々で投球フォームが分からなくなっていた。
A子は相変わらず女子とは思えない速球を放ってくる。
グローブで捕球すると、「バシン!」と良い音が鳴った。
体つきはすらっとしているが、脚や腕を見ると引き締まっていてしっかりと筋肉がついているのが分かる。
女の子らしくないとも言えるが、女の子らしい女なんて一緒に遊んでもつまらない。
運動して腹が減った。
喫茶店のチャオでオムライスとカレーを食った。相変わらず美味しかった。
スーパーでお菓子を買って帰って寝た。
かなり長い夢を見ていた。
真っ暗な森の中を一人歩いていたら、誰かの声が聞こえてきた。
会社の同い年の友達S太とA子だ。
(こいつらは会って1か月も経たないが、どちらも俺の友達ということで一瞬で仲良しになっていた)
俺は寝ぼけまなこで起き上がり、パンツ一丁で窓を開けた。
A子はそんな俺を見て「気持ち悪い」と一蹴し、早くお祭りに行くぞ!と囃し立てた。
3人でお祭りに行っておっさんにポテト買ってもらって神社行って太鼓見て、そんな感じでまあそれなりに楽しんだ。
友達が隣に住んでるって予想以上に素晴らしいなって心の底から思った。
来月になったらA子は帰ってしまう。
埼玉には家族もいるし、彼氏もいる。
俺なんかただの友達だ。流石にもう会わないってことは無いだろうけど、こうやってキャッチボールしたりすることは2度と無いかもしれないなぁ。
そう思ったらなんだか悲しい。
ルームシェアはストレス溜まるから良くないけど、隣同士に部屋借りて住むのは最高だと思う。
誰か、俺の隣に引っ越してきてくれ。